企業のブランディング戦略とコンテキスト

以前、ブランディングに関する記事を書かせていただきましたが
本日はもう少し深掘りして企業ブランディングの事を書きたいと思います。

 

具体的には2冊の本を読んだのでそちらの内容のまとめと
これまでの自分の経験を元に書いています。

 

参考書籍
①ブランド戦略シナリオ コンテキストブランディング
②体験デザインブランディング

 

以前の記事はブランディングをやるといいよ!やろう!
って感じの内容でしたが、今回は企業のブランディングに関してどういう考え方で作っていけば良いのかを書いていきます。

 

前提として、ブランディングは企業側だけの観点ではなく、ユーザー側の視点も必要です。そこを踏まえて、読んで見てください。

 

まず、企業はブランドアイデンティティといって、自社のビジョンやミッションと合致したイメージを構築する必要があります。

 

そしてそのイメージ(それは機能面、情緒面、自己表現の要素からなる)を、メディアやリアルなどのコミュニケーションを通して伝えていき、一方でユーザーも自分の価値観と、ブランドからのメッセージを照らし合わせた上でブランドへの期待を構築し、実際に体験していくのです。

 

その体験が期待を十分に満たすものであったときに強固なロイヤルカスタマーとなり、ブランディングが成功します。

 

体験が期待を十分に満たすものにするためには、どういったターゲットに対して、どんな期待に応えていけるのか、どんな価値観に訴えていきたいのかを策定し、企業とユーザーとのすべての接点で一貫したメッセージを届ける必要があります。

 

特にユーザーとの接点においては、人、空間、ものの3点がブランドを構築するもっとも重要な要素であり
(サービス業ホテルや旅館などにおいてはものがないケースも多いが)この3点をベースに戦略シナリオを作っていくような流れになります。

 

また、ユーザーの価値観や期待に答えるときに考慮すべき点が、ユーザーの知識量には差があるという事です。

 

属性要素、趣味嗜好が共に自社のブランドターゲットであっても、ユーザーの知識と企業の知識が合っていないがために、ミスマッチを起こす事があります。

 

明らかにターゲットに合致した情報を届けても、ターゲットが自分の期待や価値観を満たすものだと気づかないのです。非常にもったいないですね。

 

そうならないためにも、ユーザーの知識量を加味したブランドコンテクストの構築を進めていく必要があります。

 

そして、ユーザーとのコミュニケーションとして適切な接点をデジタルやリアルに問わずに考えていく事で、中長期的視点でのブランディング活動を行っていく事ができます。

 

ブランディングにはストーリー作りも大切ですし、センスも問われます。

 

上流における高い視点でのコンテキストも重要であり、それを個々のコミュニケーションまでに落としこんでいくために、現場レベルでのブランディング意識の徹底が必要です。

 

例えば仮想通貨の取引所であれば
ユーザーに感じて欲しい期待としては

 

”これを買ったらお金が増えるかもしれない”

 

というものであり

 

ただし価値観としては

 

”あまり冒険はしたくない”

 

というユーザーになるかと思います。
最近色々と話題なのでそれなりの母数がいそうですよね。

 

このブランドターゲットに対して企業側は安心安全という面を前面にだし、
なぜ安心安全なのかという裏付け要素を中心に、ユーザーとの接点の場を構築します。

 

ただし、仮想通貨に関してはまだまだユーザーに知識がなかったりするので、とにかくばんばんCMを流すだけでも

”仮想通貨=○○なら有名だし安心”

というブランディング効果も発揮される可能性もあります。

そして実際にWEBサイトなどにアクセスして、ブランドの事をさらによく知り、
口座を開設してユーザーになっていきます。

 

このときに、WEBサイトに訪れたときとCMを見ただけのユーザーでは与えるべき情報量が違うので
そこがコンテキストとして考えるべきところとなります。

 

もう少し身近な例でいうと、
自然素材を扱う飲食店のケースであれば、まずはターゲットを明確化して
そのブランドが情緒的、機能的、自己表現的に何を提供するのかを考える必要があります。

 

その上で、ターゲットとどういったブランドコミュニケーションをとっていくのかを
現場レベル、コンテキストレベルで考えていく必要があります。

 

・たくさんの人に知ってもらって
・たくさんの人が食べてみたいと思って
・たくさんの人が食べてくれて
・たくさんの人が紹介してくれる

 

みたいなコンテキストになりますかね。

 

そこで、企業はもっとも効果があるメディア選びや、各メディアで何をするのかをしっかりとストーリーとして考えていかないと、相乗効果が効かず、伝えたいブランドイメージを伝える事ができません。

 

そしてブランドに共感をしてくれなければ、よほど立地が良くない限りは店舗に来てくれるはずもなく、お客さんも増えません。

 

まずは店舗に来てもらう事が大事なので
メディアを通して、訪れたいと思ってもらうかが
ブランド戦略において勝負の分かれ目になります。

 

そのためには、ユーザーに感じて欲しい期待を設定し、その期待が伝わるようなアプローチが必要です。
この場合、例えばWEBページが現場の役割をするので、正しくコミュニケーションが取れるようにコンテンツ作りが必要です。
ページ内での動線改善や、そもそものコンテンツ拡充、定期的な更新も必要でしょう。

 

またブランドの伝え方も、WEBサイトやCMで明確に発信する場合もあれば、実際に店舗に来たユーザーに対しては言葉として伝えなくても、ブランドを伝える事ができることもあります。

 

そのため、ブランドによってはお金をかけずに、現場でのブランディングを徹底して世の中的な話題を生み、自然とメディアに取り上げられるような戦略を取るケースも稀にあります。

 

ただし、その場合はかなりの体力勝負となり、常に話題に上がり続けるか、よっぽど強固なロイヤルカスタマーがつかない限りは長期的に成長し続ける事は難しいです。

 

そして、いずれにせよコンテキストは重要なのでしっかりと考えていく必要があります。

 

最終的には、
自然素材のスイーツ→自然素材→健康だけど美味しい→食べても大丈夫といったコンテキストが出来上がります。

 

また、一度ブランドを確立してしまえば、そのブランドのイメージを活用した事業領域の拡張も望めます。
例えば大手化粧品メーカーが直営のサロンを始めたらなんとなく良い感じがしますよね。

 

その場合は、大手化粧品メーカーだからこそできる強みを全面に出して、その強みを欲しているユーザーに対してのストーリー作りから接点となるメディア戦略を考えていきます。

 

自然素材を扱う飲食店主催の健康的な料理教室なんかも良いかもしれません。

 

当初のコンテキストから拡張して、新たなコンテキストを生む事ができます。
また、あらかじめそこまで考えてブランド戦略を進めていく事もあると思います。

 

何れにせよブランディングにはコンテキストが重要です。そして、ユーザー視点、企業視点それぞれの表面的な部分、価値観やビジョンなど深層部の部分、それぞれを考えてブランドを作っていく必要があります。

 

世の中に溢れているブランドは、
企業のメッセージと消費者の価値観が合致したものが生き残っています。

 

もし、長期的な視点でのブランド戦略を考えるのであれば、コンテキストを踏まえたブランド戦略の中で
変化しつづけているメディア環境の中で最適なものを選択しながら、消費者の期待に応える必要があるでしょう。

ブランドにもパーソナリティはあります。
そのブランドはどういうブランドなのか、正しく認識してもらう必要があるでしょう。結局はブランドはユーザーの頭の中にあるので。

そしてブランド体験のベネフィットとコストの比較が、顧客にあたえる満足度に繋がっていき、ロイヤルカスタマーをつくっていきます。

 

最後に、ブランディングのコンテキストを考える上で、下記の記事も参考にしていただければと思います。

 

ストーリーとしての競争戦略 コンセプトの重要性

 

ストーリーを軸とした戦略の考え方に関しての記事です。
合理的な戦略設計に役立つと思います。

 

という事で真面目な事を書かせていただきました。

 

 

本日は以上。

 

 

小木曽